更新日:2010年07月08日
民主党「参院選マニフェスト」診療報酬引き上げを公言
《民主党》
6月17日、民主党は参院選マニフェスト(政権公約)を発表した。消費税引き上げや法人税引き下げなど、「税制の抜本改革に関する協議を超党派で開始する」として財政再建路線が鮮明に打ち出されている。昨夏の衆院選で公表されたマニフェストでは、財政改革に関して触れられておらず、新しく菅首相が舵をとることとなった民主党の政策は大きく軌道修正されている。
社会保障関連では、診療報酬引き上げへの取り組みのほか、▼後期高齢者医療制度の廃止と、2013年度からの新しい高齢者医療制度のスタート、▼地域の医師不足解消に向け医師を1.5倍に増やすことを目標に、医学部学生の増加や看護師など医療従事者の増員、▼新型インフルエンザ対策としてのワクチン接種体制の強化、がんの予防・検診体制の強化、肝炎治療に対する支援、▼ヘルパーなどの給与の引き上げへの継続的取り組みと、介護人材の確保、▼在宅医療、訪問看護、在宅介護、在宅リハビリテーションなどの推進による地域で安心して生活できる環境の整備と、家族など実際に介護にあたっている人の支援 ―などを明記。
上記保障を充実させるには財源が必要であり、税制を抜本的に改革することで財源を確保し、マニフェストに大きく掲げる「経済の拡大(強い経済)、財政の再建(強い財政)、社会保障の充実(強い社会保障)」を実現させる狙いだ。財政強化により2015年度までに基礎的財政収支(プライマリーバランス)を2010年度の2分の1以下に減らし、2020年度までに黒字化を達成するとの目標が示されている。
医療機関等に患者ごとの振込額明細データ提供を開始
《社会保険診療報酬支払基金》
社会保険診療報酬支払基金は、オンライン請求を行っている医療機関、調剤薬局を対象に、患者一人ひとりの明細書ごとに、請求額に対する支払額を知らせるサービスを6月15日(2010年5月請求分)から開始した。
提供するデータは、▼振込額決定情報、▼再審査情報、▼増減点連絡書情報及び返戻内訳書情報に関する11種類のデータ ―。現状、オンライン請求は「手書きで請求を行っている」「医師等がすべて高齢者」等、例外的にオンライン請求や電子媒体による請求が免除・移行期限が猶予されている対象を除き「原則義務化」となっている。今回のサービスの拡充は、今7月診療分から医科診療所の電子請求が義務化されることにあわせたものであると推測でき、医療のIT化をより一層進化させたい国の方策に沿っている。
外来管理加算、「5分ルール」廃止の影響小さく
《日本医師会》
日本医師会は6月9日に開いた定例記者会見において、「平成22年度レセプト調査4月分結果速報」を発表した。同調査は、日医A1会員の医療機関から、都道府県ごとに診療所、病院それぞれ20分の1ずつを無作為抽出し、レセプト情報(点数、件数、日数)を調査したもの(有効回答数は診療所1,375、病院135、全体1,510)。
2010年度診療報酬改定は10年ぶりのプラス改定だったことからその影響が期待されていたが、総点数は前年同期比、全体:+2.08%、入院:+4.35%、入院外:+0.41%との結果だった。入院に関しては診療報酬改定率+3.03%(入院外は+0.31%)と手厚い配分がなされた結果を受けて多少のプラスとなったが、入院外はほぼ横ばいに止まった。1日当たり点数に着目すると、入院は+3.73%、入院外は+0.53%であり、それぞれ改定率をやや上回る水準。
また、2010年4月時点で地域医療貢献加算(3点)の届出をしている診療所は27.2%であり、「今後届出予定あり」の診療所を加えて29.1%だった。2010年度診療報酬改定の議論の過程において、厚生労働省保険局医療課の担当者はその届出割合を「再診料を算定している診療所の3割程度」との見通しを示していたが、想定通りの結果となっている。
外来管理加算においては、いわゆる「5分ルール」の廃止で、「算定が急増するのではないか」と中医協支払側委員が危惧していたが、算定回数の前年同期比は、全体で+3.26%、診療所で+2.74%、病院で+6.13%と、懸念されていたほどの増加は見られなかった。
疑義解釈その5を事務連絡
《厚生労働省》
厚生労働省は6月11日付けで、2010年度診療報酬改定に関する疑義解釈その5を事務連絡した。
「明細書発行体制等加算」において、同加算に係る施設基準の届出を行っている保険医療機関が何らかの理由によりレセプトを書面により請求することとなった場合の取り扱いについて、「電子情報処理組織の使用による請求又は光ディスク等を用いた請求を行っていることに適合しているものとみなす」として算定できる旨を回答。ただし、書面による請求の理由が「廃止又は休止に関する計画を定めている保険医療機関又は保険薬局」に該当する場合には、当該基準に適合しているものとはみなさないとしている。
また、医科診療所におけるレセプト電子請求については、7月診療分から義務化されるが、実際に請求を行うのは8月であることから「平成22年8月請求に合わせて」と文言修正された。電子請求を行うことに伴い明細書発行も義務化されるため、明細書発行の義務化期限も8月となる。