更新日:2010年01月06日
2009年度第2次補正予算が閣議決定
《政府、厚生労働省》
12月15日、政府は2009年度第2次補正予算を閣議決定した。厚生労働省分は、5,684億円(一般会計:5,699億円、特別会計:マイナス15億円)を、緊急経済対策関連で、1兆2,906億円(一般会計:1兆2,825億円、特別会計:81億円)を計上した。
医療・介護に関連深い具体項目に、緊急経済対策の緊急対応として、医療・介護分野も含む新たな雇用機会の創出等を目的とした「重点分野雇用創造事業(仮称)」の創設に1,500億円を盛り込んだ他、生活の安心確保として「現行の高齢者医療制度廃止までの間の高齢者の負担軽減措置を2010年度も継続するための財政措置等」に5,736億円を、新型インフルエンザワクチンの生産能力向上等を図る目的で1,173億円を盛り込んだ。
高齢者医療制度の負担軽減策の具体的な措置としては、70歳から74歳までの患者負担割合の引き上げ(1割→2割)の措置凍結を2010年度も引き続き継続するための費用として2,902億円を割り当てた。新型インフルエンザ対策の強化では、国産ワクチン生産能力向上に950億円を計上した他、新型インフルエンザワクチン接種費用の助成に207億円、医療機関における設備整備に16億円を充てるとした。
2010年度診療報酬改定審議トピックス
《中央社会保険医療協議会》
■病院・診療所の再診料、統一で合意
12月16日に開催された中央社会保険医療協議会(以下、中医協)の診療報酬基本問題小委員会(以下、小委)において、病院と診療所の初・再診料をめぐる議論が行われた。
再診料については、前回の改定時に病院の再診料が引き上げられたが、病院と診療所の再診料は現在も異なっている。この点に関し「一物一価であるべき」との考えが診療側委員・支払側委員の双方で一致し、点数を統一することで合意が得られた。統一に向けた点数調整については、今後検討される。
また、診療所における利益率が、小児科、外科、産婦人科では低く、眼科、整形外科、皮膚科では高い等、診療科間でバラつきがあることを踏まえ、収支バランスを調整すべきかどうか議論が行われた。委員からは「初・再診料を各科ごとに変えるのは現実的なやり方ではない」「現場に混乱が生じる」等、否定的な意見が相次いだが、遠藤会長(学習院大学経済学部教授)は、包括の枠を変える方法でバランスを取ることを示唆。収支が高いことが指摘されている診療科の再診料に、処置を包括することで実質的に評価を引き下げる方法を臭わせた。
前回改定時に設定された外来管理加算の「5分要件」に関しては、撤廃を求める意見が多勢を占めた。白川委員(健康保険組合連合会常務理事)は、「将来的になくして適切な加算に変えていくのが筋ではないか」と発言し、これについては慎重な検討を求める声が挙がった。意見はまとまらず、外来管理加算の点数の性格を考えながら継続審議されることとなった。
■調剤報酬レセプトと処方せんが様式変更へ
調剤報酬レセプトに都道府県番号と医療機関コードの記載がなされていなく、保険医療機関の医科レセプトとの突合に手間がかかっている現状に鑑み、これらを記載することが、12月18日に開催された中医協小委で提案された。これに合わせて、医療機関が発行する処方せんにも同番号と同コードを記載するとしており、これらが了承された。
規制改革会議、新政権に対して意見具申
《政府・規制改革会議》
政府の規制改革会議は12月4日、2010年度に設置が予定されている、同会議の後継組織で取り組むべき改革課題を取りまとめ、新政権に対する意見具申として行政刷新担当大臣に提言した。医療分野においては、以下の5つを改革課題として挙げている。
【1.制度・医療供給体制の再設計】
診療科の偏在や地域による医師の偏在、病院勤務医の疲弊、病院勤務医の事務負荷の増加等の問題を解決すべく、プライマリケアを行う「総合診療医」を専門医として位置づけることを提案。その上で、「総合診療医」がかかりつけ医として一次医療を担い、特定機能病院等は専門医療、高度医療、救急医療にシフトするとして、効率的な医療提供体制の構築を掲げている。
また、医療行為の一部を一定の経験を有し高度な教育を受けた看護師が医師の指揮下のもとで行う「診療看護師」(仮称)の創設を提案している他、医師養成数の増加のため、「外国人医師や社会人が医師になれる多様な養成ルートの準備」の必要性を示している。
【2.持続可能な公的医療保険の再整理】
医療費が現在の2倍を超える70兆円に達する2025年に向け、▼混合診療禁止についての早急な見直し、▼診療報酬の在り方に関するゼロベースでの見直し、▼公的医療保険の保険者の統廃合と直接審査の実現 ―等について検討すべきとしている。
【3.厚生労働省による一元管理からの脱却】
「患者・国民、医療従事者、保険者、学会・教育研究者等の参画のもとに、公の機関として供給体制や制度設計の司令塔を担う組織を厚生労働省の外部に設置すること」といった新たな枠組みを提案。
【4.医療のIT化の推進】
▼レセプト様式の早急な見直し、▼レセプト請求オンライン化に合わせたデータベースの構築 ―等、IT化による情報の共有化、見える化を進めるべきであるとしている。
【5.産業としての医療の高度化・活性化】
「我が国の技術・知識が世界をリードできる分野に戦略的な投資や研究支援を行うことで、優れた研究者や技術の海外流出を防ぎ、国民が高度な医療をいち早く享受できる仕組みを整える」として、産業としての医療の高度化、国際競争力の強化を進めるべきであるとしている。