更新日:2010年04月14日
(提供:MMPG)
日本医師会、統合医療の推進を反対
《日本医師会・定例記者会見》
日本医師会は3月10日に開いた定例記者会見において、「統合医療に対する日本医師会の見解」を示した。
統合医療とは、「近代西洋医学以外に伝統医学や自然療法、ホメオパチー、心身療法などの代替医療を統合し、患者中心の医療を行うもの」であり、厚生労働省もそのように定義している。しかし、保険適用となる西洋医学と、保険適用外(自由診療)の代替医療を併用することは原則禁止となっている混合診療にあたることから、全額が保険適用外となる。
日本医師会は、鳩山首相が「統合医療は医療費の大幅な削減につながる可能性があり、非常に期待している」との認識を示したことや、足立厚生労働大臣政務官が「鳩山内閣あるいは長妻大臣の医療政策のキーワードは、予防医療でありそのあらわれが統合医療の推進である」と発言したことなど、閣僚から統合医療の推進を求める発言が相次いでいることを受け、今回、見解を発表した。
見解では、鳩山首相の発言が医療費増大を約束したマニフェストに違反していることを指摘するとともに、統合医療が混合診療全面解禁の引き金になり兼ねないとして、統合医療を推進しようとするこの流れに対する強い反対の意を表明している。また、日本では統合医療とは何かという共通認識がもたれていないことからも、厚生労働省が行っている調査、研究をもとに地道な議論を積み重ねるべきであり、拙速に「統合医療推進」の検討に進むべきではないとしている。
出産育児一時金の直接払い、実施猶予を1年間延長
《厚生労働省・発表》
厚生労働省は3月12日、出産育児一時金の医療機関への直接支払制度に係る4月以降の対応について発表した。
厚生労働省が直接支払制度への対応が困難と考えられる医療機関に対して行った調査によると、現在、部分的な実施か全面的に実施を見合わせている医療機関の約7割が資金繰りの問題をその理由としており、また、4月以降については、約5割強が部分的な実施であれば対応可能、約4割弱が全面的に対応困難であるといった状況であるという。
そうしたことから、対応が困難な医療機関は、直接支払制度に対応していない旨の掲示や、医療保険者による貸付や生活福祉資金貸付を受けられる旨の説明を行うといった措置を講じることを条件に、1年間の実施猶予の延長や、直接支払制度による支払の早期化、低利融資のさらなる条件緩和等、医療機関の資金繰りへの支援を実施するとしている。
病院の選択、「医師による紹介」が最多
《厚生労働省・発表》
厚生労働省は3月16日に、「平成20年受療行動調査(確定数)の概況」を発表した。同調査は、受療の状況や受けた医療に対する満足度等を調べることを目的とし、3年ごとに行われている。今回発表された調査は、2008年10月21日~23日の3日間、層化無作為抽出した一般病院500施設を利用する外来及び入院患者を対象に実施されたもの(回収数:156,985)。「病院を選ぶにあたり必要とした情報」「説明の理解度」「満足度、不満を感じたときの行動」 -等について調査、集計している。
調査結果によると、病院を選択する際に参考とした情報源では、「医師による紹介」が外来:43.1%/入院:58.8%と、ともに多かった。病床規模ごとに見ても、入院においては、特定機能病院、大病院(500床以上)、中病院(100~499床)、小病院(20~99床)が、いずれも病院選択の理由に「医師による紹介」を挙げている。外来においては、小病院に限り「家族・友人・知人」を情報源として選択しているケースが最多(53.6%)で、次に「医師による紹介(25.5%)」が多いという結果だった。
2010年度診療報酬改定では、医療連携が評価され、機能分化と早期退院の促進による「地域完結型の連携」のスキームが構築された。医療連携をますます促進させる機運が高まる中、今回の受療行動調査結果は、医療連携を進める上での充分な裏づけとなる。
協会けんぽの2010年度保険料率、大幅に引き上げ
《全国健康保険協会運営委員会》
全国健康保険協会(以下、協会けんぽ)は3月10日に、運営委員会を開き、2010年度の事業計画及び予算について議論した。
健康保険事業関係では、協会けんぽは、標準報酬の大幅な落ち込み等により2009年度末に準備金残高が大幅な赤字となる等、極めて厳しい財政状況にあることから、2010年度は保険料率を大幅に引き上げざるを得ない、としている。そうした中で、2010年度から2012年度までの3年間において赤字を着実に解消して財政再建を図り、中小企業等で働く人々の健康と暮らしを守る被用者保険としての機能が果たせるよう制度運営を行うという。
また、家計や経営環境が厳しい状況の中、保険料負担をできるだけ軽減できるよう、医療費の適正化、業務改革、経費の削減等のための取り組みを強化するとしている。医療費の適正化においては、▼ジェネリック医薬品(後発医薬品)の更なる使用促進、▼適正な給付業務の推進(第三者行為に対する負傷原因記載漏れ等)、▼特定健康診査及び特定保健指導の推進 -等に取り組む計画。ジェネリック医薬品の更なる使用促進については、医療機関におけるジェネリック医薬品の使用状況をもとにした「推奨リスト」を医師会、薬剤師会と協力して作成することや、ジェネリック医薬品に切り替えた場合の軽減額効果が期待できる者に重点を置いた周知広報等の方策を進めるという。