(提供:MMPG)
■ 診療報酬改定の行方① ~8月9日 中央社会保険医療協議会 報告~
2008年度診療報酬改定に向けた検討項目を提示
8月9日中央社会保険医療協議会が開催され、厚労省より「2008年度診療報酬改定に向けた検討項目(案)(議論のためのたたき台)」が提示された。
同資料は、今後社会保障審議会において取りまとめられる基本方針等を決定するにあたってのたたき台であり、診療所や病院の初再診料等の具体的な方向性等には触れられていない。
同検討項目案は、
(1)より良い医療の提供を目指すための評価、
(2)患者の視点の重視、
(3)医療技術の適正な評価、
(4)革新的新薬・医療機器等イノベーションの適切な評価と後発品の使用促進等―5つを軸に掲げられている
このなかで、厚生労働省は、地域の医療がなくならないようにするために、より良い医療の提供を目指していかなければならないとし、検討項目として、勤務医の負担軽減のための方策、救急医療、産科医療、小児医療等の重要な評価を挙げている。
委員からも、「救急医療等への評価は前回の診療報酬改定からの課題であり、今回の改定においてもきちんと議論をすべきである。」、「国が診療報酬だけでなく、医療全体で取組むべき」といった声が挙げられた。
これらの検討項目例案はあくまでもたたき台であり、今後9月から11月に社会保障審議会で後期高齢者診療報酬の骨子及び診療報酬改定に係る基本方針について審議される一方、中医協では、検証結果も含め、個別項目について集中的に議論を行う予定だ。
また、医療経済実態調査結果等の報告を受け、診療報酬等の改定について議論を重ね、必要に応じて、厚生労働大臣に意見書を提出する。その後、内閣で12月末に改定率が決定。最終的に診療報酬点数の改定案を答申され、診療報酬改定に係る告示・通知の発出は、2月~3月になる予定だ。
2006年度の医療費の伸び率は対前年比の0.1%
同会議の中で、2006年度の医療費の結果を報告した。
2006年度は、前年度と比較して、約400億円増加し、32.4兆円となり、伸び率では対年度比の0.1%増で、1日当たり医療費では、0.8%増なっている。
厚労省は、2006年度の診療報酬改定(3.16%減)が実施されなければ、伸び率は、0.1%と3.16%を足した3.26%の伸び率となり、医療費の自然体の伸びは、従来と同程度の水準の3~4%になったとした。
しかし、日本医師会副会長竹嶋氏からは、日医総研では、医療費の自然増は1.5%~2.1%とという結果であったとの意見が述べられ、また、他の委員からも3%ぐらいではないかとの声が挙がった。
医療費の伸び率を制度別にみても、高齢者の医療費以外は全てマイナスの伸びとなっており、診療報酬のマイナス改定の影響が大きかったことが伺える。とりわけ、歯科については、0.07%減と診療種類別では最も影響があったようだ。
DPC対象病院での指導監査の結果が明らかに
同日の診療報酬基本問題小委員会では、DPC対象病院に対する共同指導の実施の結果明らかとなった適切でない請求例が提示された。
DPC対象病院に対しての指導は2003年~2006年の間に毎年15前後の病院で実施されたが、監査に移行した病院はないという。
今回明らかとなった適切でない請求例としては、
包括評価部分を最大化するため
▼「医療費資源を最も投入した」といえない傷病名でコーディングしている、
▼特定入院期間超過後の手術による「手術あり」コーディングをしている
―といった不適切なコーディングや包括評価対象外の病床との間で転棟を繰り返すといった入院期間のリセットが行われていたことがあげられている。
また、包括評価されている項目の出来高請求についての不適切な請求も行われていたという。
厚生労働省は、これらの請求について「DPCの理解不足」、「医師・事務方の連携ミス」等が原因であり、監査の必要があるものはなかったと説明した。
また、厚生労働省は、「今後のDPCの在り方について」を提示し、DPC対象病院については、現在多様な医療機関が含まれており、今後どのような基準とすべきか、さらには、医療機関別係数については、どのように対応するかを検討すべきであるとし、中医協で今後議論していきたいとしている。委員からも、質の担保という面からもDPCの在り方については、今後議論をしていかなければならない等といった指摘がなされた。
取材・文責 ㈱MMPG総研 田中 久実子
2008年度診療報酬改定に向けた検討項目例(案)(議論のためのたたき台)
1 より良い医療の提供を目指すための評価
① 医療の実情を踏まえた視点からの検討
ア 勤務医の負担軽減のための方策
イ 救急医療、産科医療、小児医療等の重点的な評価
② 医療機関・薬局の機能を踏まえた視点からの検討
ア 初診料・再診料体系等の外来医療の評価の在り方の検討
イ 入院医療の評価の在り方の検討
③ 個別の医療施策を推進する視点からの検討
ア がん対策を推進するための評価の検討
イ 心の問題等への対応と適正な評価の検討
2 患者の視点の重視
○ 安心・納得できる医療の評価の検討
3 医療技術の適正な評価
① 真の医療ニーズに沿った医療の評価
② 医療技術の評価・再評価
③ 医療の質の評価
4 革新的新薬・医療機器等イノベーションの適切な評価と後発品の使用促進
5 上記以外の重要項目
① 歯科診療の特性を踏まえた適正な評価の検討
② DPCの在り方の検討
③ 診療報酬改定結果検証を踏まえた検討
④ その他