(提供:MMPG)
■33診療科を20科に 《厚生労働省》
5月21日に医道審議会医道分科会診療科名標榜部会(部会長・金澤一郎日本学術会議会長の初会合が開催され、患者や国民から見て分かりにくいとの指摘があった標榜診療科名の見直しを開始した。医科だけで34ある診療科を基本的なものに限定し、詳細な専門分野を示す内容を組み合わせてより分かりやすく自由に表記できるようにする方向だ。
現在診療科は政令で定めるものとして医科33、歯科4、厚生労働大臣の認可を受ける必要のある診療科として麻酔科がある。現在の標榜診療科名は、一般的な診療科と専門性の高い診療科が混在しており、患者・国民から見て必ずしも分かり易いものとなっていないという指摘がある。
また、今回の医療法改正によって創設された医療機能情報提供制度において、医療機関は専門外来に関する情報についても提供を行うこととなった一方で、広告制度においては、広告可能な診療科としての標梼診療科(政令で規定)との整合性を図る必要があることから専門外来の広告は認められていない状況にある。
このような背景から、厚労省は表記方法の考え方として、「基本的な領域に関する診療科名」と、「専門性の高い診療科領域(サブスペシャルティー)などの内容に踏み込んだ部分」を組み合わせるとの方向性を提示した。
診療科名は33診療科を20科に減らし、新規の診療科名として病理診断科(臨床検査科)、救急科を加える。サブスペシャルティーでは、▼体の部位に関するもの(乳腺など)、▼症状、患者の特性に関するもの(頭痛、女性診療科など)、▼治療方法に関するもの(漢方、ペースメーカーなど)―の範囲で原則自由だが、医療法関連法令や医療広告ガイドラインの中で広告可能なものに限定するとしている。
また、現在は診療科をいくつでも標榜できるが、医師・歯科医師が一人しかいない診療所では専門が分かるようにするために主たる診療科を1人原則2つ以内とし、それ以外は従とする診療科として区別する。しかし、従来の診療科名や表記方法については、一定の間標榜できる経過措置を設けることとした。
□「総合科」医は厚労相が個別認定
厚労省は同日、狭い専門領域の専門でなく、内科や小児科などの幅広い領域を総合的かつ高度な診断能力を持つ診療科として、医療法上診療科名として「総合科」の創設を提案。麻酔科などと同様に国の個別審査によって標榜医資格を付与するとして、求められる能力として、診療科全般で高い診療能力があり、患者の疾患の状態に合わせた医療を選定できる能力を挙げている。
案に対し、高久史麿委員(日本医学会長)は「日本医学会と日本医師会で総合科に関するプログラムの作成が始まったばかり。厚労省の認定と混乱がないように配慮してほしい」と要請し、事務局側も学会と共同して検討を進めたいとの認識を示した。
なお、案で示した診療科名は次の通り。内科、精神科、小児科、外科、整形外科、形成外科(又は美容外科)、脳神経外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科(産科又は婦人科)、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、病理診断科(又は臨床検査科)、救急科、歯科、小児歯科、矯正歯科、歯科口腔外科
■1年以内に医療法人の税制問題解決へ
《厚生労働省・佐藤敏信医政局指導課長》
厚生労働省の佐藤敏信医政局指導課長は5月20日、半年もしくは1年以内には未解決の社会医療法人税制と移行税制問題を解決する方針を示した。医療法改正以前に設立した医療法人(経過措置型医療法人)の新医療法人への移行については「移行してほしいが、移行する際に課税されては意味がない。現時点ではこのままでとどまってもらう方がよいのかもしれない」と、情勢を見て移行するよう要請した。全日本病院協会の第5次医療法改正説明会で改正内容を解説した。
佐藤課長は改正医療法の柱である患者への情報提供を「一大方向転換」と位置づけ、その背景について「医療費適正化の流れの中で出てきたものだ。患者は選択の幅が広がり、消費者として賢くなる。それが医療機関の淘汰につながるということでは」と私見を述べた。
また、医療計画では当初基準病床制度を撤廃する議論があったことを振り返り「制度は既得権益が擁護され、新陳代謝が起きない仕組み。しかし解除するための仕掛けが見つからなかった」と明かした。
さらに、2008年度に始まる新計画での基準病床の取り扱いについては「個人的には現在の基準病床制度は流動性が悪く、有能で意欲ある新しい人の参入があってもよいと思うが、当面の間は(制度変更の)心配はない」と、稼働率が低い病院の病床返上などは行われないとした。
□事業報告書は法人で一括提出を
指導課の金森勝徳医療法人指導官は、経過措置型医療法人にも都道府県への事業報告書などの提出が義務づけられることについて、複数の事業所がある医療法人は「それぞれの事業所単位ではなく法人全体で提出すればよい」と一括提出を認める方向性を示した。
事業報告書などは厚労省が様式を示しているが、その内容は簡略化されている。金森指導官は実際の会計処理は事業報告書とは別に従前通り行うよう求めた上で、「手間は増えるが、都道府県に出す書類は一般に閲覧される。あまり細かくすると大変なため簡略化した」と、詳細な内容が一般の目に触れないよう配慮したことを明かした。
閲覧期間については「県は3年間保存して3年分見せる。新しい様式で出たものが閲覧の対象になる」と、以前の報告書は公開しないとした。また、報告書などの提出は4月1日以降の新たな会計年度となることから、例えば6月末で決算期を迎える場合は7月1日以降の会計年度が対象になるとした。
社債(社会医療法人債)を発行する社会医療法人に対しては「わかりやすいガイドラインについて今後1年かけて作ろうと考えている」と述べた。