(提供:MMPG)
■都道府県は地域に合った計画策定を 《日本医師会》
厚生労働省がこのほど公表した「医療政策の経緯、現状及び今後の課題について」に関して日本医師会は9日、「医療機関の集約化や病床削減によりフリーアクセスの権利を侵害する内容だ」と不快感を示した。その上で、都道府県は国の考えを鵜呑みにせず、医療現場との緊密な連携により地域の実情を反映した各種計画を策定すべきであると主張した。
厚労省資料では、時間外や夜間の診療をしている診療所数が減少傾向にあるために、在宅療養支援診療所を中心とした診療所による24時間対応の必要性が挙げられている。これについて、日医は、「午後6時以降に通常診療をする診療所は増加している。『時間外』の定義が多様化していることを考慮すべき」と反論。また▼在宅当番医制ネットワークを構築し休日・夜間の救急センターに交代出務、▼時間外でも携帯電話で連絡がとれること、▼在宅療養支援診療所として24時間体制での対応―などの方向性について、「そうなれば今度は開業医が疲弊し地域医療は完全に崩壊する」と危ぐした。
「フリーアクセスが原因で患者は大病院でも専門病院でも直接受診が可能であるため、病院勤務医に過度の負担がかかっている」などと、フリーアクセスを一部制限すべきとの考えが展開されたことに関しては、「勤務医疲弊の原因は医療費抑制政策の結果として起きた医師不足にある」と反論した。
公的病院をマグネットホスピタルとして位置づけ、これまでの大学医局に代わって医師の供給調整機能を担わせる考えに対しては、「十分な医師数を確保しなければ派遣元の急性期病院も共倒れとなる。これを防ぐためには財源の投入が必要だが、財政の中立性を考えた場合、民間病院の財源が抑制されることになる」と指摘。また、民間病院が公立公的病院の下請け化することになり、このような状況は、アクセスポイントの縮小を招き、結果としてフリーアクセスが崩壊すると懸念した。
□「総合科創設は認めない」
厚労省は開業医を中心とした診療科目として、地域医療の窓口として軽度の症状の診療を原則的に担う「総合科(仮称)」を新設する方針を固めたと一部で報じられたことで、 記者会見した中川俊男常任理事は、「最新の情報を持ち、状態に応じた患者の専門病院への振り分け、心のケアができる医師が必要との認識はある。日医内でそうした開業医の養成カリキュラムも作っている」と基本的な考え方には同調した。
しかし、「総合科」の創設は、「後期高齢者医療制度創設に向けた議論の中で出ている在宅主治医の考え方につながるおそれがある」として、断固反対していく姿勢を明示した。
また、初期診療が総合科医に限定されるとフリーアクセスが制限されることになり、地域格差も助長されるとして、「認められない」との立場を明確にした。政府や厚労省の審議会に諮ることなく、唐突に総合科創設の考え方が浮上したことについても、「諮問機関を軽視し、ないがしろにしている」と批判した。
■日本が医療サービス利用頻度最高 《内閣府》
内閣府がまとめた、日本と韓国、欧米3カ国の計5カ国を対象にした高齢者の生活と意識に関する国際比較調査の結果によると、医療サービスの利用頻度が「月に1回くらい」以上の人の割合は、日本では56.8%と、調査対象国の中で最も高いことが分かった。多くの高齢者が頻回にわたって利用している状況がうかがえた。しかし一方で、利用していないとの回答も25.4%と、2000年の前回調査時より4.3ポイント上がった。
現状の医療サービスに対して「不満」、「やや不満」とする回答が日本は10.9%と、韓国の14.0%に次いで高く、欧米(ドイツ6.9%、フランス5.6%、アメリカ4.2%)の2倍のレベルとなっている。具体的な不満の内容として、日本は「診察のときに待たされる」(20.4%)、「費用が高い」(15.3%)、「医師、看護師などの説明が足りない」(6.5%)などが上位を占めた。
■医療貸付の利率を0.10%引き下げ 《福祉医療機構》
福祉医療機構は、16日付で、病院、診療所の新築資金及び増改築資金甲種・乙種など、医療貸付利率(固定金利)の全項目で0.10%引き下げた。