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歯科医院も部門会計導入を(提供:MMPG)

(提供:MMPG)

歯科医院も部門会計導入を

顧問税理士などから、毎期決算時期に1年間の経営実績を説明してもらうことがあると思います。増収増益で右肩上がりの経営ができていればいうことはないのですが、人口の減少や歯科医院数の増加などから、今後の経営に不安を抱いていらっしゃる先生も少なくないと思います。そこで多くの会計事務所は、その歯科医院の前年度データや全国平均と比較して、今後の経営方針の決定の参考に用いることと思います。しかしながら、傾向や弱点がわかったところで対応策が思いつかなければ良好な経営には結びつきません。ストレスという観点からみれば知らなかった方が良かったかもしれませんが、経営の観点からみればそうはいきません。今回は、その医院の傾向、弱点をより明確に把握し、対応策を考える契機となる方策を一例ご紹介します。

■黒字機関と赤字機関の特徴
 TKC医業経営指標M-BAST 平成22年指標(歯科・法人・院外技工)の要約損益計算書を参考に、黒字機関343件と欠損機関271件の平均データを比較してみると、▼欠損機関のほうが自費率が高い(黒字機関平均24%、欠損機関平均29%)、▼欠損機関の材料費・委託比率が高い -という特徴が見受けられます。
つまり、収益向上に向けて自由診療を積極的に取り入れている歯科医院の方が、意外にも赤字になるケースが多いと解釈することができます。このようなケースに該当しているのではないかと思われた場合、以下の要領で自由診療で採算が取れているのかを確認してみることをお勧めします。

■部門別(診療科別)損益計算書の活用を
近年、病院や診療所でも診療科ごとに損益計算書を作成し、それぞれの診療科で採算性を検討する医療機関が増えてきています。診療科別の収入の増減や、原価率・人件費率の増減等を把握することにより、具体的な対策(創患活動・単価交渉・リストラなど)をとることが可能になります。それぞれの診療科(部門)の拡大・縮小あるいは、撤退の意思決定もすばやく行うことができるでしょう。またこの他にも、職員の昇給や賞与算定の場面で、人事考課の参考になったり、診療科別の予算管理もできるようになります。
歯科医院では、分院がある場合は、当然医院ごとに損益を把握することが必要になりますが、分院がない場合でも、
1.保険診療部門
2.在宅(訪問)診療部門
3.自由診療部門(インプラント部門)
4.自由診療部門(矯正・審美歯科部門)
5.その他 物品販売部門
などに分類すればそれぞれの採算性が把握でき、次の一手を打ちやすいのではないでしょうか。
 それぞれの部門での予実管理や成績発表は、スタッフのモチベーション向上にも一役買ってくれるはずですし、何より院長先生ご自身の達成感にもつながることは間違いないでしょう。

■自費率が30(%)超えたら導入の検討を
 とはいうものの、部門管理導入初年度から、細分化したものを作るのは多大な労力を要します。そのため、まずは①保険診療部門、②自由診療部門、③共通部門―の3部門を立ち上げましょう。収入金額は、実額で①と②に分類できるはずです。医業費用は、材料費・委託費の内、分類できるものを①と②に分類します。その他の分類不可能な費用は③の共通部門に蓄積し、合理的な割合(診療器具備品費は収入比、人件費は作業時間などとルールを決めて)で①と②に配分しましょう。作成当初は、あくまで参考にしかならないかもしれませんが、毎月・毎期連続して増減等を比較することで効果を発揮します。
2~3年間続けると経理担当者も慣れて、他のスタッフも部門管理を意識してきます。このタイミングで、部門を細分化し、より充実した部門管理を構築していくとよいでしょう。

■消費税納税額が少なくなるケースも
 自費率が30%を超えると課税売上高も1,000万円を超え、消費税の納税義務者になっていることと思われます。歯科医院の消費税申告の課税方式は、課税売上高が5,000万円未満の場合ですと簡易課税制度を採用するのがセオリーですが、実は ▼自費率30%以上、▼院外技工、▼診療所は賃貸物件である ―などの一定の条件をクリアすると、原則課税の個別対応方式で申告した方が有利になることが多々あります。ただし、原則課税の個別対応方式での申告は、簡易課税制度での申告に比べ何十倍もの手間がかかるのも事実です。詳細のわかる請求書等の保管も必要になります。そのような環境の中で、部門別損益計算書作成のために費用が分類されていると、個別対応方式の消費税計算も比較的手間もかからず税金計算をすることができますので、メリットはあるといえるでしょう。

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