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増収・増患 保険診療の視点から(提供:MMPG)

更新日:2010年05月14日
(提供:MMPG)

増収・増患 保険診療の視点から

■医業収入増加のセオリー
今回の診療報酬改定では、いち早く歯科医師会が民主党支持を決めた影響か、歯科の改定率2.09%は医科外来の0.31%に比較し大幅な増加となり、その後の日本医師会の会長選挙の結果にも波紋を広げています。それはともかく、内容を見ると初・再診料の引き上げと併せ、基本的な医療行為について包括評価による簡素化を図るとともに、在宅歯科診療の推進への方向が明確にされています。医業収入はご存じの通り、「患者数」×「来院日数」×「診療単価」で成り立ち、そのいずれかの増大が増収の要因となります。原則的には、保険診療は診療報酬の改定による診療単価の影響が大きく、自費診療は景気変動による受診患者数の影響が顕著す。一回当たりの診療単価の増加を計りながら、両者のバランスのとれた診療体制をとることが安定経営のポイントとされています。

■診療報酬改定から見えてくるもの
保険財政等の逼迫を考慮すれば、歯科診療報酬のプラス改定(算式でいえば診療単価の増加)が、今後は歯科全般で実現することは難しいと思われます。しかし国民医療費統計より歯科診療医療費を分析してみると、総額は微減ながら70歳以上の高齢者の占める医療費の額は増大し、診療単価はほとんど変化がないところから、高齢「患者数」の今後の一層の増加が見て取れます。これからの高齢者は残存歯の保有割合が高いため、それらの保存治療や歯周病治療など、受診率の向上要因となる「予防」と「治療」の多様なニーズに的確に対応し、いかに数的な拡大に結びつけるかが課題となります。介護ヘルパー資格者の配置や院内のバリアフリー化など、高齢患者やその家族に支持される環境整備の実施も行いたいところであり、また保険診療の観点からは、レセプト等のIT化への流れの中で、算定もれ対策や効率的な保険点数管理・点検を心がけてはいかがでしょうか。
なかでも診療報酬改定の今後の推移を予測するとき、前回からプラス改定が続く“訪問(在宅)歯科診療”の検討・取組が不可欠ではないでしょうか。在宅や介護施設の高齢者の摂食機能障害や嚥下障害への対処、経口栄養の確保による症状改善・リハビリ効果など、口腔機能維持を通じた患者のQOLの改善は、診療報酬上での評価のみばかりでなく、拡大するこれからの高齢者医療分野で歯科に期待される積極的役割を担うものでもあります。現在訪問診療を行っている歯科医療機関は全体の約20%程度といわれていますが、地域での医療・介護機関との連携や、医師と歯科衛生士などコ・メディカルと一体となった取組は、歯科医院の地域での存在感、信頼感の醸成に大きな貢献をしてくれるのではないでしょうか。

■自費診療との相乗効果
訪問診療の実施は人的、地理的な経営効率・採算性を意識する必要がありますが、障害者歯科診療へ積極的に取組まれている先生などもあり、これらの充実は信頼関係を基礎とした患者数の拡大・定着を可能とし、無理のない自費診療誘導への環境をも整えてくれます。齲歯や歯周病の治療から、生活習慣病対策・口腔ケア、予防検診など将来的にはヘルスプロモーションへの展開を―。来院への敷居を高くし、ある意味患者に苦痛でもある紋切り型のインプラントや審美治療のすすめではなく、多様な選択肢を提供できる高い専門性と、十分な説明による患者満足度に裏打ちされたブランド力を確立したいものです。それが近い将来予想される患者争奪のための、自費診療の値引き競争という消耗戦からの離脱を担保する道でもあると考えます。

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