更新日:2010年05月14日
(提供:MMPG)
歯科医院の戦略経営 ④
前回( 3月15日 №.206号 )からの続き
■経営環境(社会的背景)について②
多くの歯科医院で経営改善が思うように進んでいない事実があります。それはなぜでしょう?
それは、「経営とは何か?」「経営にとって最も重要なものは何か?」を知らないことによるのです。「経営を知り」、実践を通じ「経営者となる」ために
・経営環境を正しく認識する
・医業といえども経営である
・経営的成功なしに、院長が使命とする診療理念・診療方針は実現しない
・厳しい歯科経営環境を直視し、勝ち残りを決意しなければ淘汰される
ことを肝に銘じなければなりません。
歯科医療業界の未来へのキーワードを整理してみましょう。
①経営のマネジメントが必須 ⇒ CS(顧客満足)のマネジメントの徹底
医療は究極のサービス業という切り口から言えば、顧客満足度を徹底的に引き上げた歯科医院のみが勝ち残ることになるでしょう。実態として、一般企業による歯科医院経営は現在でも存在しています。経営を熟知した一般企業との競争に勝てる歯科医院が存在するのでしょうか……。歯科医院は「痛い」「冷たい」「行きたくない」ところであるという一般消費者の刷り込まれた概念を払拭し、「この医院は違う!」という感激と感動を与えるホスピタリティの確立は、勝ち残る歯科医院の鍵となることは明白です。
②競争激化 ⇒ “選ばれる”時代へ
競争が激化する中で、国民皆保険制度は崩壊の方向へと進みます。患者の行動は『選択消費活動』へと大きく変化します。高いコストを払うなら、よりよいサービス・技術・商品を求めて流動するのが経済・消費の原理原則だからです。これまで「近いから」という理由で来院していた患者は、適切な歯科医院を選択する行動を起こします。また、企業による歯科医療保険が世に出るときには当然、歯科医院選別が行われることになるでしょう。結局、“選ばれる理由”を持たない歯科医院は淘汰されていくことになるわけです。
③高齢化対応 ⇒ 在宅医療、高齢者医療への先取的な対応
人口減少時代に突入したわが国の人口構成と、政府が発表している2005年医療制度改革大綱によって、今後の医療制度は大きく変化します。最大のボリュームを持つ60歳以上の顧客(患者)に対する診療方針を明確にする必要があります。もちろん、必ずしも在宅医療や高齢者医療に取り組まねばならないのではありませんが、標榜診療科の再検討や現実対応を含め、この経営環境に対する経営戦略を明確にしておく必要があります。
④予防医療 ⇒ 予防医療への積極的かつ先取的な対応
高齢化対応と同じく、国家の存続にとって国策としての医療費削減は最大のテーマです。『予防』は間違いなく今後の歯科医院経営にインパクトを与えます。定期管理型患者の拡大への取り組みはどの歯科医院にとっても重要な課題であり、積極的な対応を求められていることは明白です。来院される顧客(患者)すべてに対する予後の管理活動を含めたアプローチを考え、“仕組み化”していくことにほかならないのです。
⑤自費率向上対応 ⇒ 高度先端治療技術の確保
歯科医院経営者の『時間当たり生産性』を考えたとき、保険適用外の診療の拡大は決定的な必要性を帯び、スタッフの就労環境と処遇改善にも重要な意味を持ちます。
患者の口腔内環境を改善・維持するためのオプションは保険内診療のみでは限界があるでしょう。だからこそ、患者の要求品質に対処するためにも保険外診療技術を確保する必要があり、経営効率の側面からも自費比率を向上させる仕組みを構築していくことが求められているのです。選択される歯科医院への変貌ということからも避けて通れないものと考えます。
①~⑤を基に、歯科医院経営者が起こすべき行動は以下に集約されます。
・医院経営のあるべき姿、経営戦略を明確にし、一歩ずつ課題解決に取り組む
・マーケティングの原則に従い拡大成長を実現し、一人勝ちの世界へ
・感動を生むホスピタリティを徹底する
これらのことが、歯科医院を取り巻く経営環境により歯科医院に対して求められているのです。
以下続く