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コミュニケーションは“力仕事”

(提供:MMPG)

■感動情報の共有を

 脳科学者の茂木健一郎氏は、チームワークについてあるテレビ番組で次のように語っていた。『チームワークには、“情報共有”も大切だが“感情共有”=エモーショナルな関係性が重要である』と。情報は情報でも、“感動情報”の共有を優先する考え方を示している。

 その茂木氏が推薦し解説役をも務める書籍に、藤原和博著「人間関係」(ちくま文庫)がある。私は、この本を古本屋で見つけた。特価52円であった。
 藤原和博氏は、2003年、東京都で民間人初の公立中学校長となり、注目を集めた人物でもある。その冒頭(はじめに)には、次のような記述がある。

 『情報として価値があるのは「アッ!」「イイねえ!」「ウッソー!」「エーッ!」「オおぉ!」という「ア・イ・ウ・エ・オ」に、小さな感動を表す“!”のついたものだけだ、ということ。(中略)あなたの人間関係の一つひとつが“!”をともなっているとき、それは必ず、あなたの人生を豊かにする「自分ネットワーク」になるはずです。それに、自分ひとりのチカラでできる仕事よりも、誰かのチカラを借りなければならない仕事のほうが、何より、やっていて楽しい。いろいろな“!”を共有することで、エネルギーの交流が生まれるからです』(抜粋)
 
 医療現場は、ドラマの連続である。そこで働く一人ひとりに、その日その日に、“!”のつく出来事や気持ちの変化があるはず。しかし、現実は、仕事(作業)に追われ、感情や感動表現を置き去りにし、いつしか忘れ去っていくのが“!”のように思われる。チームを動かそうとして、手っ取り早い業務連絡や伝達事項に終始するミーティングに陥ってはいないだろうか。

 日々多忙の中、現実的な対応策は、目に見えて影響のなさそうなところから手を抜くことである。また、不慣れなことは後回しにしがちである。まさに、コミュニケーションがその最たるものに思われる。いざ、コミュニケーションを図ろうとすると、気力も体力も必要とし、気後れしている間にタイミングを逃してしまう。そして、結果的に「少しくらい気を抜いても、少しくらい手を抜いても変わらないはず…」が、現状に表れることになる。全力であたるべき大事な仕事がコミュニケーションだといえる。
 
 逆に、決意を固めてコミュニケートしようとすればするほど、力んでしまうのも、コミュニケーションが“力仕事”であることの証明のようにも思える。「力まずに素直なコミュニケーションを」と言われても、こんなに難しそうな力加減はない。要は、“!”に“!”で応えることなのだ。そこに、力を集中させることが秘訣であることを教えてくれているわけである。
 
 例えば、スタッフが一喜一憂するする姿を遠目に微笑ましくながめるようになったら、院長は引退を考えたほうがいいと思う。スタッフたちの“!”に、自らの“!”で反応できなければ、次のスタッフたちの“!”が自分に向けられる可能性はどのくらいあるだろうか? いままで、我が子の“!”に対して、どのくらい“!”の反応を返してきただろうか? 子育ては妻に任せてきたとすれば、妻の“!”に対して、どのくらい“!”で応えてきただろうか?
 
 「MMPGデンタルだより」を書かせていただいて5回目となった。そのほとんどが「正しいキャッチボールの仕方」についてであった。語るだけでなく、実行するために、いま、新たな活動を開始している。藤原和博氏と同様、出会いによって協働作業(コラボレーション)は、思いもかけないカタチとなって生まれるものである。次回は、コムネットの菊池恩恵氏との現場支援のための“!”について報告する。

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