(提供:MMPG)
■自費診療単価はいくらがベストか?
新たな自費診療を始める場合、価格はいくらに設定するのが良いのでしょうか。または、現在行っている自費診療の価格設定は適切にされているでしょうか。大変難しい問題ですが、一般的に、売り価格の設定方法は要因別に次の方法が挙げられます。
① 費用志向的価格決定法
コストに一定の利益をプラスして価格を決定する方法。保険診療の価格(診療報酬)は費用志向的な価格設定といえます。
② 需要志向的価格決定法
需要が増えれば高く、需要が減れば安く設定する方法
③ 競争志向的価格決定法
競合相手の価格設定を考慮して決定する方法
自費診療においては、費用志向を基本とした競争志向的価格決定方法を採用することが一般的といえるのではないでしょうか。
とくに、歯科医療の価格弾力性は小さいと言われますので留意する必要があります。
すなわち、歯科診療は医療行為であり、極端に価格を下げたからといってそれに応じて必要とする人が増加する訳ではありません。
逆に、本当に診療を必要とする人はある程度の金額を負担してもより良い医療を求めると言え、あまりに低価格であると医療サービスの質に関して不安を生じさせてしまいます。
さらに、低い価格で最高の自費診療を行おうとすれば先生やスタッフ1人当たりの労働負担が大きくなり、結果として継続的な歯科医療の提供が困難になっていきます。
従って、自費診療の価格設定は競合歯科医院よりも低ければ低いほど良いという訳ではなく、近隣の競合歯科医院の自費診療価格を実際に調査した上で、自院の政策を基本に、価格設定をすることが大切でしょう。
■関東周辺での自費診療価格調査結果
今回、関東周辺の歯科医院を対象に自費価格の調査を実施したところ、約75件の歯科医院より回答を得ました。そのうちいくつかの主な治療を地域別・自費収入の規模別に集計した結果が以下のとおりです。まだ、集計の途中ですので、その点を含みおき下さい。
まず、地域別集計ではポーセレンジャケットに焦点を当ててみました。
【ポーセレンジャケットクラウン】
地域 平 均 最高値 最低値 中位数
23 区 内 115,556 150,000 80,000 120,000
埼 玉 県 100,000 150,000 70,000 100,000
千 葉 県 93,000 150,000 60,000 90,000
神奈川 97,500 120,000 80,000 95,000
つぎに、メタルボンドに焦点を当て、自由診療の収入区分で集計をしてみました。自由診療収入が年間で4,000万円以上という歯科医院は少ないので、参考として見てください。
【メタルボンド(プレッシャス含コア)】
自費収入区分 平 均 最高値 最低値 中位数
2,000万円以下 92,068 125,000 65,000 90,000
2,000~4,000万円 96,455 120,000 80,00 95,000
4,000万円以上(※) 106,667 120,000 100,000 100,000
自由診療収入の多寡と単価に一定の関係が見えるようです。自由診療収入が多くなれば、単価設定での上限下限の幅は狭まり、高めに平均が移動しています。
さらに、技術に差がつく金属床について、単価設定を収入区分で同じように見てみます。
【チタン合金 金属床(片顎)】
自費収入区分 平 均 最高値 最低値 中位数
2,000万円以下 362,639 650,000 200,000 300,000
2,000~4,000万円 430,000 650,000 300,000 375,000
4,00万円以上 466,667 500,000 400,000 500,000
自由診療収入が多い歯科医院ほど、その単価設定については上限と下限の開きが少なく、平均的に上方へ移動しています。価格設定政策が技術提供と相まって、そこの歯科医院のブランド形成を行っているからかもしれません。大いに参考になるところです。
■ブランドの形成
院長先生の得意分野については、近隣競合歯科医院よりも高めの価格設定としても、信用度が増し、集患につながる可能性があります。しかし、患者様の自院に対する評価を慎重に判断し、単に「高い歯科医院」とならないよう注意が必要です。
「保険診療ではなく自費診療」、院長先生の得意とするその「自費診療」をお奨めする理由を患者様に納得してもらえるよう、症例数のほか、セールスポイントやメリット・デメリット、自院の見解を整理しておくことが必要であると言えるでしょう。