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歯科医院経営における規模別の考察

(提供:MMPG)

■はじめに
 現在の歯科医院経営は悪化の一途を辿っている。最大の要因は同業者の増加で、人口10万人に対する施設数が52.1と1施設あたり2,000人を割る状況である(厚生労働省 平成16年医療施設動態調査より)。
 しかしながら、全ての歯科医院の収益が悪いというわけではない。開業年数に関わらず十分な利益を上げている医院は多数存在するのである。
 こうした歯科医院の収益状況に着目し、2006年度の(社)日本医業経営コンサルタント協会の研究発表大会では「中規模型歯科医院への考察」という標題の論文を発表した。弊社の数年にわたるクライアントの損益について分析の結果、ある一定規模の歯科医院のほとんどが非常に安定した経営を行っていることが判明したためである。

■規模別の分類
 分析にあたって、収益別に5,000万未満を小規模、5,000万~8,000万を中規模、8,000万以上を大規模と分類した(弊社独自の基準であり、開業歴2年未満及び矯正専門歯科は算入していない)。
 結果的には、中規模型分類の診療所群のデータが他の分類の診療所群よりも、対医業収益に占める純利益率と純利益額において最も効率の良いのが見てとれる。

 大規模型が医業収益は最大であるが、対応する費用の出費は多大となり、特に人件費の比率とそれに伴う諸問題で比較的リスキーな経営を強いられている。
 小規模型では純利益率は、中規模型と変わらないが、金額を見ると定期的な設備投資や改装、新技術や知識習得の資金源が薄く内部留保に問題が生ずる可能性があり、借入金の返済などが過重だと可分所得が無くなる事もあり得る。
 中規模型こそ事業としての最適な最小ユニットであり、院長の夢とロマンを展開する歯科医院経営ができる事業体なのである。

■中規模型への道
 歯科医院では複数の歯科医師が従事しているパターンが多数見受けられる。例えば夫婦・親子・兄弟といった親族の場合もあれば、全く血縁関係のない歯科医を雇用している場合もある。
 また、中規模型となるためには、複数の歯科医師が必要となる。1人の歯科医師の収益高には限界があるからである。しかしながら前例の親族はともかく、勤務医の常勤雇用は収益と給与の面においてバランスを取るのが難しく、ロイヤリティも不十分となりやすい。そうなると中規模型の最大のポイントである院長以外の歯科医師については、常勤ではなく非常勤との連携しかない。ここで敢えて雇用ではなく連携としたところが重要である。

■事例 F歯科医院の中規模型への戦略
 F先生は地方都市での開業歴10年で43歳。当地でも歯科医院は飽和状態であった。医業収益は6,000万(うち自費1,000万)で歯科医師1人の診療所としては合格点といえたが、これに慢心しないF先生は弊社の提案により中規模型を目指すこととなった。

1.矯正専門医の招聘
スタッフと場所を提供して、診療の全てを一任した。

2.インプラント専門医の招聘
F先生自身もインプラントはできるが、母校の講師に週1回訪問してもらうことで、より高度な技法の提供を目指した。ユニットを1台増設し、歯科衛生士1人雇用。

3.予防歯科の開設
歯科衛生士を中心としたチームを作って対応した。

 こうした体制作りによって歯科医師は3人となり、2年後には収益は1億を超え、完全に中規模型へと変化を遂げることができた。最小の投資で人件費の固定費化を防ぎ、収益増を確実にしたのである。

■終わりに
 中規模歯科医院になるには他にも多くのアプローチ法があるが、中規模型化によって自院を総合診療のできる歯科ホスピタルへと変貌させるチャンスを検討してみてはいかがだろうか。

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